実は、断食と糖尿病は相性は良い
なぜかというと、糖尿病の多くは肥満や内臓脂肪が原因で病気になっている人が多く、
断食ではその内臓脂肪を中心に脂肪燃焼してくれる効果が期待できるからです。
ですが、糖尿病の人でも薬を中断できない人がいたり、原因もさまざまな為、誰でもできる訳ではありません。
断食といえば
断食といえば、イスラム教では、ラマダンのお祝い時に断食をする習慣があります。
自己鍛錬(たんれん)の機会を与え、貧困や飢餓に苦しむ人達の苦境を気づかせる意図があるそうです。
ですが、イスラム教の中でも糖尿病のような慢性疾患をもつ人もいて、断食をしたいと思っている人にも医師は中止させなくてはいけないことも多くあるそうです。
元々ファスティング(断食)には、一番注意すべき点である血糖値と深い関係がある
断食して空腹になっている身体に食事をしてしまうと、一気に血糖値が上がり、体内にインスリンの分泌を大量に放出するようになります。
ですが、糖尿病で薬や注射を投与するほどの人の場合、インスリン分泌が人よりも少ないことで血糖値が下がりきらず、糖が血液中に停滞してしまいます。
糖がエネルギーとして使えないと、血液中のブドウ糖濃度が高くなり、高血糖状態が続きます。
脱水状態になり、倦怠感、疲れやすくなり、長く続くと血管に負担がかかり、動脈硬化や視力低下、糖尿病の合併症状まで引き起こします。
断食中には、脂肪がエネルギーとなり、脂肪燃焼してくれるケトン体が体内に放出される
そしてもう一つ。
断食中には、脂肪がエネルギーとなり、脂肪燃焼してくれるケトン体が体内に放出されます。
糖尿病の人の場合、それがデメリットになってしまうことがあります。
断食をすると体内の糖が枯渇し、代わりに脂肪をエネルギーとして使えるように脂肪細胞から肝臓でケトン体が作られ、放出されます。
それは、通常の100倍多く出ていると言われるほど体内にケトン体が増えます。
このケトン体を味方にした糖質制限ダイエットや糖質を抑えてケトン体の材料となる脂質を摂取して脂肪燃焼させる、ケトジェニックダイエットなども流行りだしました。
ただ、このケトン体が多く放出されている状態は、標準的な状態ではなく、生命を維持する為の防御であると言うことを認識しておかなければなりません。
糖尿病になると痩せてしまうというのは、このインスリンとケトン体の関係にあります。
膵臓にあるインスリンは体内の糖をエネルギーに変える為の役割をしますが、糖尿病になるとインスリンが不足することにより、糖からのエネルギーが得られなくなります。
代わりに体内の筋肉や脂肪を分解してケトン体が作られ、それをエネルギーとして利用されるようになるからです。
重度の糖尿病の人だと、インスリンの働きが悪く、普段からブドウ糖をエネルギーとして利用できない為、すぐにケトン体が大量に生成されます。
すると、ケトン体は弱酸性物質である為、血液は酸性に傾き、糖尿病ケトアシドーシスが引き起こされてしまいます。
又、薬を飲みながらの実践にも、注意してください。
治療中の場合、服用している薬には、余分な糖を尿で強制的に体外に排出して血糖を下げる役目があります。
併用しながら断食をすると血糖値が下がり過ぎてしまい、同様に体調も悪化してしまう場合があります。
ファスティングは、健康な人でも血糖値の安定は注意すべき重要な点
断食と血糖値の関係を理解して正しく取り入れられれば糖尿病改善の強い味方になってくれますが、もともとインスリンの働きが悪く血液中が酸性に傾きやすい重度な糖尿病の人にはあまりお勧めできません。
かかりつけ医に相談しつつ、食事の見直しから、一食や一日など、負担の少ない断食から始めてみるのが良いでしょう。
以上、ファスティングと糖尿病についてのお話しでした。
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